2022年08月05日
物流現場の人材不足を解消するシステムとして今WMSが注目されています。入出荷や、在庫管理、返品管理まですべて1つのシステムで情報管理することができ、人的コストを減らすことが可能になるためとても便利です。
この記事では、WMSの機能や、導入のメリット・デメリットについて説明します。
ECサイト運営者を悩ませる物流現場の深刻な人手不足
物流現場が人手不足になる背景とは
物流現場が人手不足になることで起こり得る問題
WMS(倉庫管理システム)の導入で、ミスを防ぐ!
WMSとはなにか?どんなことができる?
WMSを導入すべき理由
WMS導入のメリット・デメリット
WMSのメリット
WMSのデメリット
WMS導入の際の企業の選び方のポイント
WMSの導入目的を明確化する
サービスの中身をしっかりと把握しておく
サポート・セキュリティ面が万全であるかを確認する
まとめ
ECサイト運営者を悩ませる物流現場の深刻な人手不足
物流現場では、物流量の増加と人手不足が深刻な課題となっており、ECサイトの運営者を悩ませています。
このような人材不足の背景には日本の少子高齢化やネット通販の普及など、さまざまな背景があるのです。物流現場が人手不足になる要因を詳しく見ていきましょう。
物流現場が人手不足になる背景とは
物流業界が人手不足になる背景として、パソコンやスマートフォンの普及やAmazonや楽天など大手ECサイトの台頭によって、ネットショッピングの利用者が増加していることが挙げられます。
加えて近年では新型コロナウイルス禍による巣ごもり需要の拡大で、取扱量は増えているのにもかかわらず少子高齢化によって労働人口が不足していることで、物流現場は人材不足に陥っているのです。
物流現場が人手不足になることで起こり得る問題
物流現場が人手不足に陥ることでどのような問題が起こるのでしょうか?具体的には、以下のような問題が起こります。
- 注文に対応できず利益が減少する
- 品質管理がおざなりになる
- 誤出荷などのミスが発生する
ここから、これらの問題について詳しく解説していきます。
注文に対応できず利益が減少する
人材不足によりすべての注文に対応しきれず、売上や利益が減少してしまいます。また、新しい商品の入荷が出来なくなって品切れになってしまうことが挙げられます。
注文に対応できるように業務を効率化しようにも、目の前の業務で精一杯になってその方法を考える余裕がないという企業が多いのも現状です。
品質管理がおざなりになる
人材不足は、品質管理にまで影響します。検品が不十分だと、商品の破損や、賞味期限切れの商品を見つけることができません。また、商品の清掃やメンテナンスに手が回らず、消費者に汚れた商品が届き、クレームにつながってしまいます。
他にも、スタッフ一人あたりの仕事量が多く過労につながるため、商品を誤って破損させてしまうなどの事故が発生しやすくなります。
誤出荷などのミスが発生する
人手不足で顧客からの信頼の低下を招くようなトラブルすら発生するリスクがあります。具体的には、注文した商品とは違うものが届くという誤出荷や、不十分な梱包で配送中に商品を傷ついてしまうといったトラブルが挙げられます。
また、商品の配送に遅延が起これば、結果的にサービスの利用者数が減少するかもしれません。
このように、物流現場の人材不足はさまざまな問題を引き起こすのです。
WMS(倉庫管理システム)の導入で、ミスを防ぐ!
ここまでに見てきた物流現場の問題を防ぐために、WMS(倉庫管理システム)を導入しましょう。WMSを導入することで、人の作業によるミスを減らし、業務の効率化が期待できます。
ここから、WMSとは何か?どんなことができるか?について説明していきます。
WMSとはなにか?どんなことができる?
WMSとは、Warehouse Management Systemの略で、日本語では「倉庫管理システム」と訳されます。WMSは倉庫の入荷から出荷までの業務を効率化させることが可能です。
入荷から出荷までのそれぞれの工程で、WMSを用いることで物流を簡単にシステム化できるので、上記で見てきた人材不足によって起こる問題をカバーすることができます。
WMSを導入すべき理由
WMSを導入することで業務効率化を実現でき、コスト削減にもつながります。具体的には、検品作業や出荷管理など今まで人の手で作業していた工程を機械に任せることができるので、人件費を削減することができるようになります。
また、倉庫内の品物の動きが見える化されるため、在庫数の管理ミスをなくすことにつながるだけでなく、トラブルにすぐに気づくことができるようになります。
WMS導入のメリット・デメリット
WMSにはいくつかのメリットやデメリットが存在します。
WMS導入のメリットは以下の通りです。
- 物流業務の効率化が図れる
- コストを削減して利益が向上する
WMS導入のデメリットは以下の通りです。
- システム利用料がかかる
- WMSを使いこなせるまでに時間がかかり、人材教育が必要となる
ここから、WMS導入のメリット・デメリットについてそれぞれ詳しく解説します。
WMSのメリット
物流業務の効率化が図れる
入出荷が繰り返し行われる中で、商品の在庫数は刻一刻と変化しています。入荷や返品によって在庫数が変動する際に、人の目による確認・記録よりもシステムを利用することで、出荷履歴の変更や品数の修正を素早く行えます。
また、仕事の質は作業員の能力や資質によってどうしてもばらつきがあります。そのため、人力での作業は効率が安定せず、仕事量も図りにくかったため、多くの人材を確保しておく必要がありました。
しかし、システムを導入すれば仕事がマニュアル化され、どんな人でも効率的な作業が可能となります。
コストを削減して利益が向上する
WMS導入により入出荷など倉庫全般の情報がシステム化されるため、これまで管理に充てられていた人員を減らすことができ、その他の業務(購買やサイトの運営など)に従事させることが可能です。また、人的ミスが減るため管理中のトラブルも減り無駄なコストを抑えられる場合もあります。
ほかにも、システム化による在庫の無駄がなくなれば賞味期限切れの商品の廃棄が減るなどの効果が期待でき、過剰在庫や廃棄処分にかかるコストも抑えられます。
WMSのデメリット
システム利用料がかかる
WMSを利用するためのシステム料がかかります。月額費用か買い切りかでも費用が異なるので一概に比較できませんが、月額5万円から利用できるサービスもあれば、350万円かかるパッケージ型のサービスもあります。
倉庫や、扱う商品量の規模によって、自社に合うシステムを選択することが大切です。
WMSを使いこなせるまでに時間がかかり、人材教育が必要となる
WMSを使いこなすまでに時間がかかり、システムを利用できる人の教育が必要となる点もデメリットです。
システムの利用経験がない、TIに詳しくない働き手も多いでしょうから、システムに慣れるまでに時間がかかります。また、新しく入るスタッフに向けてシステム説明を行うためのマニュアルも必要となり、作成の手間がかかります。
導入をすればすぐに使いこなせるわけではないということを知っておきましょう。
WMS導入の際の企業の選び方のポイント
WMSを導入する際は、サービスの選び方が大事です。具体的には、以下のポイントを確認しましょう。
- WMSの導入目的を明確化する
- サービスの中身をしっかりと把握しておく
- サポート・セキュリティ面が万全であるかを確認する
上記の項目についてここから詳しく解説します。
WMSの導入目的を明確化する
自社の課題を明確にし、それらの課題を解決できるシステムを導入しましょう。問題が明確にならなければ、システムを導入しても業務効率化につながりません。
課題を見極めるためには、倉庫で起こったミスや品質事故を振り返り、原因がどこにあるかを調べ上げる必要があります。
WMS導入でどんな課題を解決したいか?をあらかじめ決めておくとスムーズなシステム選びが可能です。
サービスの中身をしっかりと把握しておく
WMSのサービス内容について、ホームページや資料をよく読んで把握する必要があります。あまりリサーチせずに導入してしまうと、高いシステム料を支払ってから「欲しい機能がなかった」「自社の課題を解決できなかった」と後悔するかもしれません。
各サービスで対応できる課題は大きく異なっています。比較しつつ、費用対効果についても検討していきましょう。
サポート・セキュリティ面が万全であるかを確認する
サポートやセキュリティ体制が整っているかも確認しましょう。サポート体制が万全でないサービスを選ぶと、システムの不具合などトラブルが発生した際に対処が遅れ、利用している倉庫の物流がストップしてしまいかねません。
また、セキュリティがおろそかになっていると顧客情報の漏洩が発生し、顧客の信用を失うことにもなります。
まとめ
WMSは倉庫管理をシステム化させ、業務効率化や人的コストの削減につながる、物流現場にとっては必須のツールです。WMSにもさまざまな種類があるため、導入コストや自社の課題について検討しながら、費用対効果の高いものを選択する必要があります。
人材不足で悩まれているEC運営者の方はぜひWMSの導入を検討してみてください。