EC物流で業者に断られた原因と対処法!良心的な業者を探すコツも解説

2023年02月01日

ネットショップを立ち上げたけど、条件に合った物流の委託先がなかなか見つからない」「小規模なECや規格外商品の物流を委託したいけど、引き受けてくれる業者がない」「物流業者から見積もりを取ったら高額な料金や多数のオプションを提示された」……こんなお悩みありませんか?

なぜ自社に合った物流の委託先が見つからないのでしょうか?なぜ話をしても断られてしまうのでしょうか?今回は物流のプロの目線からその理由を本音も交えて解説。自社に合った委託先を見つけるためのポイントについてもご紹介します。

理由1:小ロット・多品種小ロット

物流業者の視点

  • ・管理の手間がかかるため引き受けたくない
  • ・輸送量に関わらずトラック1台分のコストが発生するため価格転嫁が必要になる

依頼を断られる、高い見積もりが提示される典型的なパターンとして、小ロットの荷物や多品種小ロットの荷物を依頼するケースが挙げられます。物流業者としてはトラックを1台稼働させるためには、トラック1台分のコストがかかります。当然のことかもしれませんが、物量が少ないと、その分得られる保管料や作業料などの売上金額が少なくなり、経費ばかりかかってしまうのです。そのためどうしても価格転嫁をせざるを得ないという事情があります。

また、得られる売上金額の割に管理の手間がかかる(=人件費がかかる)という理由から断ったり高額な料金を提示したりする業者も少なくありません。


理由2:与信が低い

物流業者の視点

  • ・十分仕事が回っている物流業者からすると、与信が低い相手と取引をするのは
    リスクの方が大きい

依頼者の事業規模が小さい場合や創業して間もない場合、例えば、スタートアップ企業で社歴が短く実績がまだ出ていない企業等の場合は、断られたり見積もりが高くなったりする可能性があります。その理由は与信が低いと判断されるためです。物流会社としては「与信が低い相手と取引するのはリスクが高い」と考えます。もし、相手が飛んでしまったり倒産してしまったりすると、せっかく依頼を請けたのに料金を回収できず、自社が負担することになります。

取引先が多く、仕事が潤沢にある大手の物流会社ほど与信の低い取引先を好まない傾向にあります。

実際、とある大手の物流業者は、スタートアップ企業との取引を避ける為、高めの見積もりを出すことが多いようです。


理由3:サイズや重量が規格を外れている

物流業者の視点

  • ・パレットに載らない等、管理の手間が大きい

荷物のサイズや重量が物流会社の規格外であることも断られる典型的な要因です。サイズが大きな荷物や重い荷物は荷降ろしが大変になる、パレット(フォークリフトで荷物を運搬する際に使用する荷役台)に載らないといった問題が生じます。物流会社としては、なるべく規格内の荷物だけを取り扱ってスムーズに現場を回したいのです

実際のケースでは倉庫から個人宅に配送している、とある大手物流業者で大きい荷物を受け取ってもらえない。または、かなり高めの配送見積もりを出されたというものがあります。


理由4:イレギュラーな対応や流通加工が多い

物流業者の視点

  • ・管理の手間が増えるため請けたくない

「チラシを箱に同梱する」「規格品とは異なる管理方法をしなければならない」といったように、通常の出荷作業や商品管理とは別にイレギュラーな作業や加工が必要な場合も、断られたり高い見積もりを提示されたりしてしまう可能性が高いです。

やはり手間がかかったりコストが高くなってしまったりするので、多くの物流会社としては請けたくないのが本音です。イレギュラー対応や物流加工が発生すれば、作業員の負担が増加する、あるいは人員の増強や設備の増設を余儀なくされます。

特に大手の物流業者では管理の手間を省くため、自分たちの出荷システムの内容に合わないことはやらないケースが多いようです。


理由5:SKUが多い

物流業者の視点

  • ・仕分けや管理が純粋に大変になる

在庫管理の最小単位(SKU:ストックキーピングユニット)が多いのも敬遠される傾向があります。単純に仕分けや管理が大変になり、コストの増加や業務効率の低下につながるためです

用語:SKUとは?

SKU:ストックキーピングユニットとは

SKUとは「Stock keeping Unit」の略で、前述のとおり在庫管理の最小単位を表します。物流や小売業界でよく使われる専門用語です。「1SUK」「2SUK」というように、数字の単位として使われることもあります。この場合は「種類」という言葉で分類できる要素を掛け算して求めます。

1つの商品で1種類のみであれば1SUKとなります。たとえばTシャツという商品があって、色が4種類、サイズが3種類(S/M/L)というバリエーションがある場合、Tシャツという商品(1)×色の種類(4)×サイズの種類(3)=12SKUとなります。


解決策:柔軟さがウリの物流業者の探し方

ここまでご説明したとおり、物流会社に断られたり高い見積もりを提示されたりする原因はさまざまです。自社に合った物流業者を探す際には、まずはホームページをチェックしてみましょう。たとえば小ロット品であれば「小ロットでもOK」と記載されていれば、依頼を請けてくれる可能性が高いです。検索順位の上位に出てきた業者に闇雲に問い合わせるよりも効率的です。

また、「条件に合った業者が見つからないから」といって、妥協して物流業者を選んでしまうのも考えものです。コスト削減や業務効率化などの要素を妥協すると、自社の業務あるいは金銭的な負担が大きくなってしまいます中堅や中小の物流業者などにも目を向けると、コストパフォーマンスが高いサービスを提供してくれる業者が見つかる可能性が高くなります。なるべく多くの業者を比較検討してみましょう。

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